「ビジョン・ストーリーを書ける気がしません」

先日、あるIT系の株式公開企業の部長クラスの研修の締めくくりとして、
「ビジョン・ストーリー」を書いてもらおうとしたら、受講者から、
こんな発言が聞かれました。

研修プログラムは、その会社では従来実施していなかった部長クラス向けのもので、
2日×3回のコースを実施するというものでした。
内容は、財務等の経営リテラシー研修を始め、部門のビジョンと戦略、人材マネジメント等
これまで多くの企業で実施してきた部長クラス向けの研修プログラムの要素を
盛り込んでいました。

その会社は、最近、新社長が従来にない高い経営目標を打ち出しましたが、
皆さん、「ほんとにやるの?」と半信半疑の状態でした。

そこで、今回の研修の最後の方で、その高い目標に向けて、実現意欲を湧かせて
もらおうと、私が得意としているビジョン・ストーリーを受講者の皆さんに
書いてもらうことにしました。
そしたら、冒頭の「ビジョン・ストーリーを書ける気がしません」との声が
聞かれたのです。

ビジョン・ストーリーというのは、将来の望ましい様子をミニストーリーの
形で書いてもらうもので、今まで1000人以上の方々に書いてもらいましたが、
まったく書けないという人は居なかったので、そう伝えると、
「自分が、その書けない1人目になるんじゃないかと・・・」
と、弱気なことを言います。

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この発言に対して、
「まぁ、最初から無理だと決めつけないで、やってみましょう」と応じて、
簡易的な方法で行うビジョン・ストーリー作りをやってもらいました。

ビジョン・ストーリーの事例は、下記ホームページに載せてありますので、
ご覧になって頂ければと思います。
ビジョン・ストーリー事例

私たち人間には、夢を見る力があり、夜寝ているとき、実際に「夢を見る」という形で
発揮しているのですが、その力を目覚めているときに使って描くものなので、
一定の心と体の準備を行えば、誰でも書くことができるものなのです。

それで、受講者の皆さんに、しかるべき指示・指導を行って、書いてもらいました。

そして、黙々と書いてもらうこと30分。

多くの方が書きあがったようなので、
グループ内で朗読形式で発表してもらいました。

すると、「ぐっと来ますねぇ」とか、「読んでいて、自分で感動しました」等の声
聞かれました。

そして、先ほどの弱気発言をしていた人も、
「いいか悪いか分かりませんが、私にも書けました」
とのことでした。

このように皆さん、自分のビジョン・ストーリーを書くことが出来て、
お互いのストーリーで盛り上がるとともに、満足そうな面持ちで帰って行かれました。

「案ずるより、生むがやすし」

やはり、取り組んでみることが大切ですね。

これをきっかけに、皆さん、新社長が掲げた高い経営目標に対する実現意欲を
湧かせてくれるといいですね。

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